笠岡市 めがねと補聴器専門店・ツザキが お店の日常と 小さなまちでの活動などを綴ります

2017-08-14

イベントの夕闇に






夏の夕闇に浮かぶ、実に華やかなイベントである。こんな日、ゆっくりと隣町に出たことは、今までなかったのだけれど、とあるミーティングで街を訪れることになった。

予想通り、同業のお店は灯りが落ちていた。店を閉めて町内の屋台等のお手伝いに出ていたのかもしれない。が、そもそも地域振興が目的の一つのこうしたイベントにあって“置いてきぼり感”に見舞われていたことは、想像に難くない。圧倒的な人通りに既存店はただ飲み込まれ、屋台の壁紙になるだけである。いつもはない姿をそこに演出するということは、いつもの姿をより一層薄め、忘れさせる。

届け物で立ち寄った馴染みの店は、どこも閑古鳥だ。こちらもお休みしているところも多く、明らかに目の前の人の流れとは無関係だった。こういう時、「人通りがあれば、それを生かして何か売ってみたら」と必ず“建設的な”意見を賜るものなのだが、言われなくても、そんなお店はその日常364/365の中で、もっと大事な人と人の間を一つずつ繋ぎ、積み上げている。

この日、無造作に投げ捨てられたゴミを、行政やボランティアたちが拾うかもしれない。だが、通りすがりの道にゴミを投げるその手を止めて考えて欲しい、その町がくる年もくる年も、祭りを受け入れるに相応しい美観を保っているのは、住み、暮す人々の静かな努力のたまものなのだ。区画整理後の中心市街地は恵まれているから、なのではない。